シングル化を切望した佐野元春、90’sの代表曲
いろんな歌手のアルバムを聴いていると「この曲めっちゃシングル向きじゃね?アルバムだけじゃなくてシングルで出せば一般ウケしそうなのに…」とか思っちゃうナンバーがあるはず。
そんな「シングルで出してもよかったアルバム曲」シリーズの第1弾(2弾以降?さて、いつになるやら…)として取り挙げたかった楽曲が悠久にも思えた時を超え、まさかのシングル化を果たしました。
だったらこんなタイムリーなネタは「ヤるなら今しかねぇ!」ってなワケで、今回はこのテーマで行こうじゃないか!
そいつはコレだ!
佐野元春の『レイン・ガール』!
彼の90年代の楽曲の中ではトップクラスの人気を誇り、YOUTUBEの公式チャンネルにはライブ映像もあるナンバー。
初出は1993年発表のアルバム『The Circle』である。

このナンバーに関しては個人的にも並々ならぬ思い出があります。
93年といえば、アタシが佐野と運命の出会いを果たした年。
佐野にとっては『約束の橋』の大ヒットや『Sweet16』がレコード大賞の優秀アルバム賞を受賞するなど、充実した92年の余勢を駆って突入した年でもある。
出会いはやっぱりミリオンナイツ
93年からラジオ小僧になったアタシ。
いろんなラジオ番組を聴き漁るようになった中で、特にハマったのが『ガラスのジェネレーション』回でも触れた「DJ.AKASAKA」こと『赤坂康彦のミリオンナイツ』。
理由は彼のオモシロトークだけではない。
実は赤坂は佐野のファンらしく、たびたび彼の楽曲を番組内でかけてくれていたのだ。
この頃はまだ、自分にとっては「謎に包まれたミュージシャン」ポジションだった佐野。
そんな中で、彼のいろんな楽曲を聴けるチャンスがあるこの番組は、とても重宝しておりました。
そして93年の年末にかけて番組内でよく耳にしていたのが、この『レイン・ガール』である。
佐野のシングル曲はけっこうクセの強いものも多く、「これをシングルで出すの?他のヤツのほうがいいんじゃね?」とか思ったりもする中で、この曲はメロディアスでファンシーでロマンティックかつメルヘンチックでファンタジックでもあり、一般ウケ間違いナシ!
古田たかしによる冒頭の「ドドタト ドドタト」な豪快なドラムの音(ここめっちゃ好きなの)で幕を開け、サビで「いつか」「少しだけ」と、控えめな愛の告白をする主人公がそこはかとなく「いとをかし」ってな感じで大変よろしい。
ミリオンナイツ内でも後にリリースされるリミックスアルバムver.も含めて、けっこうな頻度で耳にしており、まさにシングルで出すにはこれ以上ない!と断言したくなる珠玉のポップでロックなナンバー。
自分はこの曲目当てでアルバムを買ったぐらいなんで、そんだけお気に入りの楽曲である。
CMソングでも輝くナンバー
にもかかわらず『レイン・ガール』はシングルでのリリースはなく、アルバムの中の一曲として留まることに。
かぁーっ!もったいねぇ!絶対シングルで出しとくべきだっただろコレ!
まぁ敢えてアルバムナンバーとして納めておくのもそれはそれで美しい形なのかもしれませんが、やっぱファンとしてはこんなシングルに適した曲は世間に大々的にアピールして、もっと人気シンガーになってほしいやん?
それだけのポテンシャルを秘めたナンバーだけに、惜しい気持ちがあるというか…
しかもちょうど勢いに乗っているときのタイミングだっただけに、それが残念で…
…自分、余計なお世話っスか?
そんなモヤモヤした思いを抱えて幾星霜…ってほどではないが1995年のとある日、視聴していた『ニュースステーション』のCM中に不意にオレ歓喜の瞬間が訪れた!
佐野元春、『レイン・ガール』を引っ提げてTOYOTAのCMに登場!
エネルギッシュな歌声を響かせ、街中を颯爽と駆けていく「オレ達の」Moto’Lion’Sano…!
もうこのスタイリッシュにキメまくった映像を見た時は、喜びに打ち震えましたよ。
自分がファンになって以降、まだ歌番組などでも動いている彼を見る機会も無かったので、そういう意味でも嬉しくもあり、驚きでもありました。
彼を起用してくれてありがとな、TOYOTA!
と、同時にこの曲のカッコよさを再認識し「やっぱあの時シングルで出しときゃなぁ…」という複雑なファン心が去来したのもまた事実な、あの頃のアタシであった…
そして32年後の復活
時は流れて、2025年の3月に佐野は過去の自身の楽曲を現代仕様に蘇らせたセルフカバーアルバムならぬ「再定義」アルバム、『HAYABUSA JET Ⅰ』をリリース。
『Ⅰ』があるなら当然『Ⅱ』もあるってことで、12月には早くも『HAYABUSA JET Ⅱ』も登場。

その中から11月に先行シングルとして配信されたのが…ここで来たッ!
『レイン・ガール(New Recording)』!
生まれ変わったこの曲が配信オンリーとはいえ、発表から32年を経てのシングル化である。
この報に色めき立つアタシ。だがまだ油断はできない。
なぜなら…
こういうセルフカバー系にありがちな傾向で、
- やたらキーを下げて歌う
- テンポがスローになる
- ジャズやバラード、ボサノバ、ダンスリミックスなどのアレンジになる
といった「ダレ得なの?」的な空気を読めないパターンが多数を占め、ガッカリすることが多いからだ。
今回の場合も例にもれずオリジナルからキーは下がり、なおかつ弱々しい歌声なのはあらかじめ予想がついていたとはいえ残念な点。
とはいえ、他の部分はあまり違和感のない内容なので、トータルではまずまずといったところ。
個人的には「可もなく不可もなく」な印象でございます。
まぁ仮にめちゃくちゃ出来が良くても、どうせ聴くならオリジナルver.の方を聴くしねぇ…
やっぱり思い入れの強すぎる楽曲なんで、そこはもうしょうがない。
それでも30年来愛するこのナンバーを、遂にシングルで出してくれたのは嬉しいニュースでした。
ってな感じで、どちらのバージョンでもいいんで世間にもこの曲のカッチョ良さをもっと知ってもらえることを願いつつ、今回はここでお開きだ!チュッ!チュッ!チュッ!


