運命の分かれ道は…非自作曲!
「シンガーソングライター」…ミュージシャンを目指す者なら誰もが憧れる肩書きである。
しかしその頂まで辿り着くのは一筋縄ではいかない。
そもそも人の心を打つ作詞やら作曲を手掛けつつ、人の心を揺さぶる歌唱力も併せ持たなければならないという、別ベクトルの才能が必要とされるのだから…!
とか勝手に定義付けたけど、日本においてはアレな歌唱力でも売れてるシンガーソングライターは結構いるし、別にそうでもなかったわ。
そんな中、80’s中期に歌唱力もウリにしてデビューしたシンガーソングライターがまた一人現れた。
福岡出身なのに、何故か数年過ごしただけの関西弁を使いたがる男、徳永英明である。
ちなみに今の彼、珍しい方の字画に名前を変更してるけど馴染みがないので旧名で行かせていただきます。
そもそも今回の曲は旧名時のリリース作だから、まぁええやろ。(開き直り)
そして彼にとっての初のヒットソングが、ご存知『輝きながら…』である。

リリース 1987年7月5日
作詞 大津あきら
作曲 鈴木キサブロー
編曲 川村栄二
オリコン 4位
ベストテン 2位
売上げ 29万枚
長く険しいデビューまで道のりの末に、25歳を目前にしてやっと夢をかなえた徳永。
以降はシングル、アルバム共に複数リリースするものの世の中そう甘くは無い訳で…
そもそもデビュー近辺でいきなりヒットを出せるミュージシャンの方がほんの一握りしかいないのが普通なので、別に徳永に限った話ではないがメジャーシーンでは苦戦の日々。
それだけでなくもう一つの大きな壁にぶち当たる。
アマチュア時代に書き溜めておいた曲のストックが尽きただけでなく、新たに産み出すこともできないスランプ状態に陥ってしまった。
と、なれば外部のライターに依頼してアルバムを作るほかない。
切羽詰まった状況に陥りつつもそれはできるだけ避けたいと、なんとか頭の中からひねり出し殆どの曲を書き上げ、やっとこ形にしたのが3rdアルバムの『BIRDS』。

その中のオープニングとしてラインナップされたのが徳永作ではない『輝きながら…』。
実は1stの『Girl』の頃から鈴木キサブローからの提供曲はあり、今回の曲も彼の手によるもの。
後には自身による作詞曲も多くなるが、この時点では作曲を手掛けるのみだった徳永なので、このナンバーの制作には歌入れのみの関与ということになる。
そんな自作曲でもないアルバムのOPナンバーが、まさか彼の歌手人生を大きく変える事になるとは…
CMソングからの大逆転
なんと富士フイルムの主力商品である「フジカラー・スーパーHR」のCMソングに起用されるという大抜擢を果たす。
そしてCMキャラクターは当時の超人気アイドル南野陽子…!
ちょっとこの時のナンノ、美少女すぎじゃね?
それはさておき、いざシングルカットして発売してみると…いきなり降って湧いたような「勝ち組」フィーバー状態へと突入し、それまでの状況から生活は一変!
何と言っても「オレ達の」ザ・ベストテンへの出演だ。
現代の歌番組とは段違いの注目度があったベストテン。その影響力はバツグンで、あれよあれよという間に上位へと駆けあがる。
番組内では同じくランクインしていたナンノとも共演を果たしたり、年間ベストテンでは6位に位置する快挙のおまけつき。(残念ながら紅白出場はならず…)

もうこうなった以上、富士フイルムには足を向けて寝られないぜ?
今までの苦労がやっと報われた瞬間…誰もが徳永を祝福したかに思えた…が!
一人だけ浮かない顔をした男の姿が…当の徳永本人だ。
ナンダカンダでやっぱり代表曲
確かに人気歌手の仲間入りを果たしはした。
ただ他人の手による楽曲でヒットした事がどうにもひっかかる。
シンガーソングライターとしては形無しの自分…
これでええんか?と煮え切らない日々が続き、その後も長年に渡りライブで歌う事を渋ったらしい。
どんだけトラウマになってんだよ…(呆れ)
この思いが次回作「風雲!『風のエオリア』編」(仮題)への呼び水となる。
とはいうものの後に自作曲でヒットを連発したり、年齢を重ねた事で若さゆえのギラギラした思いも消えたのもあってか「やっぱりオレにとって大事な歌なんや!」と再認識して今に至る、と。
最後はめでたしめでたし、と相成りました。
じゃあ締めにこの曲に関していつもの自分語りしていいっスか?
まあヒデキばりに「やめろっと言われても~♪」するんですけど。
自分が徳永を知ったのは親父がきっかけで、車でよく彼の最初のライブCDを耳にしてたんです。

この曲の印象は「なんだよこのヌルい歌はよぉ~、聴いてて眠くなるんじゃ!」とはっきり言ってめちゃくちゃ嫌いな歌だったんです。
「こんな退屈な曲よりシングルじゃない他の曲の方が、遥かに良いじゃねーか」と悪態をつきながら早30年…
そんなアンチ『輝きながら…』の最右翼とも言っていいアタシが、たまたまYOUTUBEで見かけた映像をご覧ください。
このフルオケバージョンを見た後は「なんだよ…めちゃくちゃ良い曲じゃねえかよ…」と恐るべき速さで掌返しをした、こんなに変わり身の早いアタシを許していただけますでしょうか?
そうだ、この曲はオーケストラ演奏による歌唱が最高に映える楽曲だったのだ。
これが『輝きながら…』が持つ真の実力か…!と今更ながら気付いたアタシは、この曲を全力で応援していく事にしたので今後ともよろしくお願いいたします…
それでは今回はこの辺で!

