ドンキー、新生
4月2日に大々的にお披露目されたNintendo Switch2。
その中でソフトラインナップのトリを任されたのが、7月17日に発売された『ドンキーコング バナンザ』!

そこで見せた豪快なゲーム内容は、アタシのスイッチ2デビューのゲームにふさわしい期待感を持たせてくれ、本体と同時購入へと至りました。

元々『ドンキーコング』は任天堂がビデオゲーム会社としての名を知られるきっかけになった出世作。
それが『マリオカートワールド』に続いて、スイッチ2のロンチ(発売日)付近の大事なポジションを任されるのは胸アツじゃないですか!
見た目も今までの姿からマイナーチェンジを果たし、ゲーム性ともども気分一新。
そしてあっという間にエンディングまで突っ走って、クリア後の要素のものもあらかた終えたのでレビューをしちゃいたいと思います。(追加コンテンツの「エメラルドラッシュ」は未プレイ)
露骨なネタバレはないんで、これから遊ぶ人も、今遊んでいる人も安心してください。
任天堂としても並々ならぬ意気込みなのがうかがい知れた本作。
赤い彗星「見せてもらおうか、新生ドンキーコングの実力とやらを!」

…画像がクッソ多いけど、ついてきて?
シンプル操作と破壊のカタルシス
ゴールドラッシュに沸くインゴス島にはるばるやって来た我らがドンキー。


そこでピッカピカに輝くバナナを見つけてウッホウホなのも束の間、悪徳企業「ヴォイドカンパニー」の襲撃にあい、奈落へと吞み込まれてしまう。


そこで出会ったポリーンと一緒に、どんな願いも叶うと言われる星の中心を目指しつつもヴォイドの野望をくい止め、やがて二人はバナナ三昧の生活と地上へと戻れるのか?というストーリー。



自慢の体躯を活かし、壁・天井・地面など周囲を荒らしまくりながら大好物のバナナをゲットして能力を上げつつ、各ステージのボスを攻略して地下へ進んでいく仕様。

メインの開発者は『スーパーマリオ オデッセイ』と共通なのでシステム、グラフィックや音楽、演出面といった点はマリオデらしいところも随所に見てとれる。
本作のウリは何といってもドンキーというキャラを活かした破壊行為。
これがもう楽しすぎるんだ!

複雑な操作を要求されないので、ゲーム開始時点で小気味よくドンキーを動かすことができます。
例えばX・Y・Bの各ボタンが上、中、下のパンチに割り振られているという分かりやすさこの上なしといった具合。
シンプルでありつつ、ゲームデザインの上でも理にかなっているバツグンの操作設定である。
やたらとごちゃごちゃした操作やシステムやUIを作りたがる他のゲーム会社は、このゲームを遊んで多少なりとも見習ってほしいところだ。
他の能力では「ハンドスラップ」が周囲に散らばったゴールドを一気に回収出来たり、ソナー機能も備えていたりとこれも使い勝手がいい。

また、気晴らしに岩や砂の塊などでスケボーしたり、水上を移動したりするのも楽しかったり。
別ゲーなんで比較するのもアレだが、壁登りのスピードもゼルダよりも段違いに速いなど、快適なアクションが手軽に楽しめるのも評価ポイント。

とにかく周囲にあるものを手当たり次第にぶっ壊しまくるだけで面白いんだから、もうそれだけでゲームが成立しているレベルである。
例えばこんな感じで他人の迷惑や、自然の景観を顧みずに暴れまわっちゃったり?
破壊前↓

破壊後↓

見事な更地具合だぜ…
もういっちょ行こうか~!(LUNA SEA RYUICHI風)
今度はコレが…

こうなる!

「デヤァーハッハッハ!環境破壊はキィンモチいいゾイ!」でお馴染みのキングDDDの金言が、まさか令和のドンキーコングで完璧な形で証明されるなんて…

そうだ、このゲームにおいては「環境破壊こそが正義」なのだ!
みんなも何の罪悪感も覚えずに、『MOTHER3』の『ブッコワシ賛歌』を聴きながら存分に壊しまくるがいい!
個人的には砂地でバサッと飛び散るエフェクトや、水晶の塊を壊した時の感覚がチョーキモチいいです。

相棒はマリオの元カノ?
そして任天堂ゲーでは定番の相棒キャラは、初代ドンキーではさらわれ役およびマリオの彼女(!)だったポリーンちゃん。

今作では大幅に設定とポジションを替えて、二代目ドンキーと一緒に大冒険を繰り広げるかけがえのない存在に。(13歳の少女には全く見えないが…)
初報ではヘンな岩石キャラが今作の相棒か?と思ったところの正体は彼女でした!の展開は、まんまと任天堂にしてやられちまいましたよ…

他にはシリーズお馴染みのディディーコング、ディクシーコング、クランキーコングやランビなどのキャラも友情出演。

ちなみに初代のポリーン(レディ)をさらったのがクランキー爺さんらしいです。

ただし、ここら辺の設定はマリオやゼルダと同じくパラレル要素入りまくりなので、気にしたら負け、みたいな?

マリオデから取り入れられたシンガーという特徴もうまい事ゲームシステムに盛り込み、人間キャラだからこそガイド役として違和感なくしゃべらせることも出来る起用法はさすが任天堂。
その他には「アイツ」も登場したりして?
自分はまったく予期してなかったんで、まさかの出番で嬉しいサプライズだったわ。
そしてポッピーコングのえも言われぬ色香がオレを狂わせる…コレはイケナイ!

いいか!絶対「ウスい本」やらピクシブでいかがわしいイラストなんて出すなよ?絶対にだぞ!(チラッ)
システム面などあれこれ
難度は中盤までは「ちょっと簡単すぎじゃね?」なんて思ったものの、終盤からクリア後に入ってからはけっこう死んだので、歯ごたえはちゃんとある感じに仕上がっているかと。
ボスを倒したり、ステージの各所でゲットできる最重要アイテムのバナナは5個分でスキルポイントを1つもらえ、バナナチップは一定数集めるとバナナ1個と交換できたりもします。
コイツでポイントを貯めまくってドンキーを強くしろ!

化石は特殊能力の付いた服と交換するのに必要な素材なので、コレも集めたいところ。

フィールドに点在する遺跡には最大3つのバナナがあるので、これもチャレンジ意欲を掻き立てられる要素。

中には『スーパードンキーコング』方式の横スクロールステージも存在。
他の動物に変身して、状況を打破するにはもってこいの「バナンザ変身」も本作の目玉の一つ。


各バナンザが特徴的な能力を持つが、その中でも断トツで使えるのがゾウさん。

イバラや溶岩などのやっかいな地形ダメージも吸い込みで無効化できたり、最も効率よくゴールド回収や宝箱も探し当てたりと大活躍。
便利すぎて、ゲームバランス崩壊レベルの有用さである。
変身時の音楽もヴォーカル入りでノリノリの楽曲が揃っており、「シンガー」ポリーン要素にも抜かりなしだ!
ロード時間は100階単位のワープ移動では10秒くらいの時間がかかる場合があるが、同じエリア内や数階程度の移動なら3秒以内なのでかなり早く、ストレスはそんなに感じません。

このゲームで破壊衝動を開放せよ!
とにかく、ちょっとした怪獣気分も味わえちゃうイカしたゲーム『ドンキーコング バナンザ』。
敵や地形だけでなくドンキーに協力的な各階層の住人達までぶっ壊し殴りまくれるのは、目に入るもの全てをメチャクチャにして、ストレスだらけの日頃の鬱憤を晴らしてしまいたい…

そんな現代人の心の奥底に渦巻くドス黒い感情すらも、気持ちよく発散させてくれる破壊神ゲーでございました。
もう初代のゲームデザインとは全く変わってしまっているが、ドンキーのゲームとしての魅力は別次元で遥かに増した本作。

ゲームの仕組みを大幅に転換したゼルダに続いて、ドンキーも見事に大成功をおさめちゃいました。
これを受けて次回作のゼルダやマリオも、どういうアプローチで攻めてくるのか、俄然楽しみになってきたぜ!

せっかく体験版もあることだし、スイッチ2を持ってるなら是非とも遊んでみてちょ!

それでは今回はこの辺で!