【全ての始まり】佐野元春『ガラスのジェネレーション』に揺さぶられた、ある少年の話

アイキャッチ 80's

昭和100年からはじめます

みなさん、初めまして。
このたび「昭和100年」という記念すべきタイミングで音楽ネタを中心としたブログを始めることとなったアンドルフと申します。

自分にとってブログ開設ということは地味に大きなチャレンジですが、肩ひじ張らずに気楽にやっていけたらと思います。

やる夫
そうだ、ヤるなら今しかねぇ!

ってなわけで記念すべき記事一発目は、やはり自分が「音楽」という娯楽に興味を持つきっかけとなった思い出の曲で行きたいっ!

みなさんも年齢を重ねても初めて衝撃を受けた楽曲や、初めて買ったCDやレコードはいつまでも記憶に残るものでしょう。

そしてかつて少年だったアンドルフに「ビビビ」ときた思い出の楽曲といえば…

そうだ、80’sの邦楽界において独自の音楽スタイルを追い求め、のちのシーンに風穴を開けた孤高の風雲児の代表的ナンバー!

ガラスのジェネレーション

佐野元春の『ガラスのジェネレーション』‼

まったく売れず、の代表曲

佐野元春…邦楽界にとっても新たな時代の幕開けとなった1980年にデビュー。
そしてこの曲は2ndシングルとしてリリースされたもの。

リリース 1980年10月21日
作詞   佐野元春
作曲   佐野元春
編曲   佐野元春 伊藤銀次
オリコン 記録なし
売上げ  不明

だがデータを見ればお分かりの通り売上げは不明となっている。
そう、つまりまったく売れていないのである。

バカな…オレが愛してやまないこの曲が、当時の世間にカスりもしていないだと…?

デビュー時からの盟友である『ウキウキWatching』な伊藤銀次と共に作り上げ、自信をもってリリースしたにもかかわらず、この結果にはさすがに落胆したらしい…

だがそんな曲が後に陽の目を浴び、やがて「全俺の中で大ヒット」する日がやってくる。

時は1993年、前年である92年に佐野は大ヒットシングルを生み出した。ご存じ『約束の橋』である。

約束の橋

この曲のヒットにより佐野が再び注目され、新たに彼の曲がCMソングに起用された。

出会いはCM

少年隊の東山紀之と、彼の大ファンとしても知られる女優の森光子という話題性バツグンのコンビでオンエアされた「サッポロビール 吟仕込生ビール」…

これだ!このCMで出会ってしまったアナタとワタシ…

そして流れるメロディーはもちろん『ガラスのジェネレーション』である。
リリースから13年を経ての起用。

内容からして夏季商戦の頃であり、当然ビール業界としては稼ぎ時であるこの機を逃すものかと大量オンエアに励むわけで…

そして当時のアンドルフ少年も何度もこのCMソングを耳にする度に「なんか爽やかでノリのいい曲だな」と頭の片隅に残るようになる。

しかしその時点では「佐野元春」については本人の顔も他の曲も全く知らないレベルの認識だったので、その時だけでこの歌手に対する興味は終わる可能性だってあったかもしれない。

だがそうは問屋が卸さなかった!

ラジオ番組での衝撃!

90年代中期にとあるラジオ番組が人気を博していた。「DJ. AKASAKA」こと赤坂康彦がホストを務めるTOKYO FM発の『赤坂康彦のミリオンナイツ』である。

DJ. AKASAKA
夢がMORI MORI~♪

氏による軽妙なトークや、一風変わった選曲などちょいとAMノリが特徴の番組。

学校から帰宅後は当然勉強などするはずもなく、ベッドの上でゴロ寝しながら彼の番組を聴き、夜の床に就くのが習慣のアタシだったが運命の日は突然に訪れる。

その日もいつものように番組に聴き耳を立てていた時、赤坂が曲の紹介へと移る。
「それでは次のナンバーへ行きましょう。佐野元春で『ガラスのジェネレーション』!」

そのタイトルを聞いた刹那、「なにっ!」と『ウルトラセブン』のキリヤマ隊長ばりに目を剥きベッドから飛び起きるアンドルフ少年。

そして徳永英明よろしくガチで壊れかけの黒いラジオに目を見やる。

それまでCMの部分しか聴いた事はなかったが、タイトルを聞くだけで「あの曲」だということは自明の理だ。

前から気になっていたあの曲がついにフル尺で聴ける…!」その時の胸の高鳴りは今でも思い出せるほど鮮明だ。

当時はまだパソコンも携帯電話も一般家庭には普及前であり、「インターネット」というメディアなんて世間にはろくに知られていない時期だ。

現代のように気になることがあっても手軽に検索なんてできるはずもない。だからこそラジオという存在がどれだけ有り難かったことか…

そしてボロいラジオからイントロが流れ、軽快に跳ねるピアノのリズムや華やかなブラス、そして流麗なストリングスと共に佐野の歌声が響き渡る。

期待に違わぬ極上のメロディーに「間違いねぇ、これは超名曲だ!」と確信した瞬間である。

92年末ごろから音楽番組はよく観るようになっていたが、「ふーん、こういう曲が今の流行りなのね」と暇つぶし程度に冷めた目で観ているだけで、興味を惹かれる音楽なんて一曲も見つからなかった自分にとって、当時のトレンド曲とは一味違った新鮮な印象を与えてくれたものだった。

「つまらない大人にはなりたくない」

そして『ガラスのジェネレーション』を色褪せぬエバーグリーンな輝きを放つ名曲たらしめている最大の理由といえば何と言っても…

ナウなヤングたちを鼓舞するキラーワードである「つまらない大人にはなりたくない」…!

邦楽界のクラーク先生」とでもいうべき魂に訴えかける言葉に、多くのティーンエイジャーが影響を受けたとか受けていないとか。

それだけではなくもしかするとこの言葉はリスナーのみならず、一時期ミュージシャンになる事を諦めていた佐野自身を奮い立たせる心の叫びだったのか?

…なんて邪推もしてみましたが、この言葉はあくまでも歌の主人公の心情を描いており、佐野本人の気持ちを代弁したわけでは無いとNHKの「あさイチ」で言及しておられましたw

もちろんアタシはこの歌詞にはめちゃくちゃ衝撃を受けたもんです。

それから30年以上の月日がたち、どんな大人になったかといえば…
みなまで言わなくても分かるよね?

とにかく自分が佐野ファンという事を差し引いても、邦楽史に残り続ける屈指の名詞であることは言うまでもない。

他には「君の幻を守りたい」という部分もお気に入りだ。
」を守りたいんじゃない。「君の幻」を守りたいというところがミソなんです!

こういうちょっとしたひねりを利かせた発想も、プロの作詞家だからこそ為せる業である。

そして2025年になり、なんとこの曲が新たに改題され生まれ変わることが発表された。
タイトルはズバリ、『つまらない大人にはなりたくない』である。

今までにも自身の過去曲を改題・新録してリリースするという一連のシリーズがあったが、今回は遂にこの曲が登場となった。

今回のはオリジナルと比較すると、クールさやスピード感の増したアレンジとなっている。

このバージョンがファンにどれくらい受け入れられるかは未知数だが、やっぱり自分はオリジナルの方が圧倒的に好きなのは致し方無いところだ。(2006年verは結構好きなアレンジなんですけどね…)

たとえ「老害」と言われようとその気持ちは変わる事はないだろう。
初めてミリオンナイツで聴いた時の、あの興奮が心の中で生き続ける限りは…な?

なにせ自分にとって初めて興味を持った大衆音楽がこの曲だったので、やたらと自分語りの多い内容になってしまったが、そこらへんは記事一発目という事でご容赦いただきたい。

とにかくこの歌詞に感銘を受けたナウなヤングは、多少のヤンチャなら許される十代を思いっきり謳歌して、後の人生に活かしてほしいと願う今日この頃でございます。

みんなは「つまらない大人」なんかになるなよ~!

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